東久留米市長選挙に立候補した、ふるたに高子さん。
第1弾では、アスポート所沢で共に仕事をした現場から見えた「人柄」「姿勢」「原点」を紹介した。第2弾となる本記事では、ふるたにさん自身のこれまでの歩み、行政との関わり、そして市民に向けた政策・ビジョンを丁寧にまとめていく。
「市政を、市民が自分たちの手に取り戻すために。」
その言葉が、どこから生まれ、どこへ向かおうとしているのか。本人の言葉を中心に、構造的に整理してお届けする。
古谷高子(ふるたに・たかこ)ーこれまでの経歴
ふるたに高子
1958年2月生まれ。小学6年生から八千代市で育つ。千葉県立国府台高校、埼玉大学教育学部卒業後、日本社会事業学校研究科を修了。
埼玉県職員(福祉職)として、福祉事務所・児童相談所で29年間勤務。早期退職後は、生活保護受給世帯の学習支援、区の児童虐待対策コーディネーター、生活保護面接相談員などを務める。
1992年に保谷市(現・西東京市)へ転居後、「小学給食調理業務の民間委託」に反対する市民運動に参加。碧山小学校PTA会長として学校運営や地域の課題に向き合ってきた。
2016年2月、東久留米市へ転居。2021年フードパントリー、2022年こども食堂設立。地域の子育て世帯・困窮世帯を丁寧に支えてきた。
趣味は演劇とヨガ。
行政や地域と関わるようになったきっかけ
原点にあるのは「地域の問題を、個人として、市民として考える」という強い意識。
公務員として多くの家庭問題・生活困窮・虐待・相談ケースを担当し、制度の限界と、制度の狭間に落ちてしまう人たちを目の当たりにした。
転機となったのは2010年。西東京市で「子どもの権利条例」制定をすすめる市民活動に参加したことだった。“行政に任せきりにしない。市民が自分のまちのルールをつくる。” その体験が、ふるたにさんの市民活動の軸になっている。
「人が困っているから動く」姿勢はどう育まれたのか
ふるたにさんは「福祉職だから、ではなかった」と語る。
公務員として働く中で、自分の力だけではどうにもできない限界に何度も直面した。しかし非正規職員として若い人たちと働いたとき、その真摯な姿勢、迷いながらも子どもと向き合う誠実さから大きな力をもらったという。
アスポート所沢教育支援の現場でも同じだ。支援を受ける中学生・高校生に向き合う若手職員の姿勢から、「困っている人に寄り添うとはどういうことか」を、現場で学び直した。その実感が、ふるたにさんを“動き続ける人”にした。
ふるたに高子を形づくった市民との出会い
印象的なエピソードとして語られたのは、父親からの虐待や家庭環境に苦しむ子どもとの関わりだった。
「『助けて』と言えなかった子どもたち。制度が噛み合わず、安心の拠点を見つけられない家庭。」
地域のフードパントリーや子ども食堂に訪れる家庭にも、同じ背景を持つ人が少なくない。支援の“すき間”に落ちる市民を見捨てない。制度の外にいる人にも居場所と味方を届ける。この姿勢は、市長選に出る決意と直結している。
市長として取り組みたい課題(マニフェスト概要)
● 市民負担の軽減
- 国保税の負担軽減
- ごみ袋料金の値下げ
- 低廉な住宅の確保
● 中学校給食の完全実施(全員給食)
● 「子どもの権利条例」の実現
- 子どもが安心し、意見を表明できるまちづくり。
● 専門性を持つ市民×専門性を持つ市職員の協働
- 対話型の行政運営、市民参加の拡大。
● 高齢者の健診無料化
- 健康寿命をのばす安心の仕組みづくり。
● 若者・子育て世代の支援強化
- 学童保育の定員増、児童館の整備
● PFAS汚染の徹底調査・情報公開
「財政危機より市政を立て直す」とは何を意味するのか
大学教授に依頼して東久留米市の財政状況を分析した結果、驚くべき事実が見えてきた。
東久留米市は「優良で健全」「余裕宣言を出してもいいレベル」。つまり、財政にゆとりがある。にも関わらず、“財政が厳しい”と前提して市民サービスを抑制してきた。確かな数字も提示されず、試算も不透明なまま。
「本当はできるのに、やっていないことが多すぎる。」
ふるたにさんは、これを 意図的な見落とし と捉えている。市民に必要なサービスを提供する体制を取り戻す。これが「市政を立て直す」という言葉の真意である。
東久留米の未来をつくるために大切にしたいテーマ
ふるたにさんは繰り返し「対話」を強調する。
市民の声を丁寧に聞き、市役所の職員と市民が同じテーブルで情報を共有し、一緒に街の未来を考えていく。
“市民が、行政の内側に入ってくる仕組みづくり。”
これこそが、ふるたにさんの市政ビジョンの核である。
市民へのメッセージ
「私たちのことは、私たちが決める。」
この当たり前の権利を、市民の手に取り戻す。そのための仕組みづくりを、市民と一緒に進めていきたい。
ふるたにさんはそう語る。
市政は、市民の暮らしそのもの。声をあげやすく、安心して意見を言える東久留米をつくるために。
※本記事は、取材にもとづく人物紹介・インタビュー記事であり、
特定の候補者・政党の支持や投票を依頼するものではありません。


