ホームレスのおばあちゃんと元旦の朝。|年末年始の生活困窮者支援情報

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「情けなくてごめんね」と微笑んだおばあちゃんのこと。

東京に住んでいた頃の元旦。
初日の出を見た帰り道、ふらりと立寄ったマクドナルドで、私はひとりのホームレスのおばあちゃんに出会いました。

おそらく店内で年越しをされたのでしょう。
小さな身体を丸め、静かにうとうとしていたその姿は、あたたかい場所にようやく辿り着いたように見えました。

でも、店員の声が空気を変えました。
「早く出て行け」と罵るような声に、おばあちゃんは目を覚まし、そして私の方を見て、小さく微笑んだのです。

「情けなくてごめんね」——
そう語っているような表情でした。

その笑顔が、なぜかこたつでうたた寝する母の顔と重なってしまい、私は胸がぎゅっと苦しくなりました。

あのときの後悔が、今の私の行動をつくっている。

彼女は少し臭いもして、服もかなりくたびれていて、店員の気持ちも分からなくはありません。
でも私は、思いました。

「うちに来て、あたたかいお風呂に入って、美味しいご飯を食べてほしい」と。

でもそのとき、私は自分一人の部屋ではなく、自由がきかない立場でした。
だから、言えなかった。何もできなかった。
母を見捨てるような気持ちで、お店を出たことが、今でも心に残っています。

支援先の情報が頭にあれば——
交通費を渡してあげたり、誰かに引き継いだりできたかもしれない。
そう思うからこそ、今、書き残しておきたいと思いました。

生活にお困りの方を見かけた方へ——年末年始の支援情報

年末年始の時期は、日払いの仕事が減り、公的な窓口も閉まってしまいます。
住まいや食事の確保が難しい方に向けて、行政や民間の支援活動が各地で行われています。

この記事を読んでくださっているあなたは、きっと「支える」ことの出来る方だと思います。
もし、私と同じような場面に出会ったとき、支援先があることを思い出していただけたらと思います。

支援情報まとめ|厚生労働省 公式ページ

NPO法人ホームレス支援全国ネットワークが作成した、年末年始の民間支援活動の一覧表が公開されています。

地域によって内容や受付期間が異なります。
該当する地域や必要なサポートを探して、ぜひご相談ください。

よりそいホットライン「電話相談」|年中無休・365 日・24 時間相談受付

一般社団法人社会的包摂サポートセンターよりそいホットライン「電話相談」では、
年中無休・365 日・24 時間相談を受け付けております。

どんなひとの、どんな悩みにもよりそって、一緒に解決する方法を探します。
生活全般のほか、専門相談の外国語、性暴力・DV、セクシュアルマイノリティ、自殺防止、被災者、若年女性(岩手、宮城、福島の 3 県からのみ)については、ガイダンスに従い番号を選びます。

電話相談(よりそいホットライン/フリーダイヤル 通話料無料)
TEL:0120-279-338
TEL:0120-279-226(岩手、宮城、福島の 3 県からのみ)

https://www.since2011.net/

(2024 年 12 月 23 日時点)

必要な誰かに届きますように…

あの元旦の朝に出会ったおばあちゃんの笑顔が、今も私の行動を後押ししてくれています。

「あのとき、何もできなかった」と後悔する代わりに、
今、誰かの“行動のきっかけ”になる記事を残す。

これが、私にできる「縁のつなぎ方」なのかもしれません。

この情報が、必要な誰かに届きますように。
そして、あなたの近くに困っている誰かがいたら、そっと伝えてあげてください。


ACSURE(アクシュア)では、支援団体様の情報を随時募集しております。
ぜひ、お問合せフォームから情報をお寄せください。

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この記事を書いた人

たなかえりのアバター たなかえり ACSURE編集長

「信頼できる人に、ちゃんと出会える。そんなメディアを目指しています。」

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