地下神殿は祈りのかたちだった。首都圏外郭放水路を歩いて感じた「支える安心」の正体|埼玉県春日部市#01

「見えないところで、守ってくれているものがある。」

SNSでは“まるでラピュタ”と話題の、あの地下の神殿。でも私が行きたくなったのは、その景観が目的ではありませんでした。問いの出発点は――「ふだん目にしない“安心”って、どんな姿をしているんだろう?」

その答えを、地下深くに探しに行った一日を、ここに綴ります。


目次

首都圏外郭放水路って、なに?

埼玉県春日部市にある、防災のための巨大施設です。
地上からはただの原っぱのように見える場所に、実はこんな空間が広がっています:

  • 全長:約6.3km
  • 深さ:最大50m
  • 巨大な柱:59本
  • 最大排水量:200トン/秒

洪水時にだけ作動するこの施設は、“使われないまま”であることが理想。その矛盾した存在こそが、「支えるということ」そのものかもしれません。


地下の空気、音、匂い。体が感じた“安心”

案内スタッフと一緒に、長い階段を降りていく。
空気の密度が変わる。音がやさしく反響する。静かで、どこか神聖な感じがする。

それはまるで、“縁の下で手を合わせているような空間”。
誰にも見えないところで、ずっと支え続けていること。その在り方は、まるで祈りのようでした。


“使われない施設”であることが理想。だからこそ祈りに似ていた。

「何も起きなければ、無駄になる」と言われがちな防災施設。
でも、違うんです。

あの空間は、「使われないように、でもちゃんと使えるように」備えている。
そんな姿勢が、そのまま“祈り”の構造に見えました。


現地に行って、はじめてわかる“支えのかたち”

災害や防災って、どこか遠いテーマのように感じるかもしれない。
でも、現場に足を運び、空気を感じ、人と話すことで、“安心”って、こんな風に支えられていたんだって、わかってくる。

「支えることって、こういうことだったんだ。」

あの場所には、安心のかたちが、ちゃんと立っていました。



【まとめ】

「知っているつもりだった場所」に足を運ぶと、“知らなかった優しさ”が、そこに立っている。

首都圏外郭放水路は、巨大な柱の奥に、「安心ってこういうことかもしれない」が、そっと佇んでいる場所でした。


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この記事を書いた人

ポンちゃんのアバター ポンちゃん 現地特派員

現地レポートを担当。
ポンポン動き回る冒険家。
読者の代わりに動き、感じ、言葉にする。

「まずは、わたしが行ってきます。
 心が動いたらあなたにもつなげたいんです。」

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