数字では測れない価値を守りたい。感情経済構造論が生まれた静かな問いから|ACSUREの挑戦#13

「誰にも知られず、静かに続けられている支援こそ、いちばん深く、いちばんあたたかいものかもしれない。」

支援現場とWEBの世界で感じてきた違和感。
“数値で測られない価値”を守るために、私は今、「感情経済構造論」という言葉にたどり着こうとしています。


目次

数字では測れない価値を、守りたい。

声高に語ることはないけれど、何が大切かを知っている人たち。


今では、私が福祉現場にいたことを知らない方も多いかもしれません。

けれど当時の私は、相談件数や支援回数など、“数”を報告することに追われていました。

でも、ほんとうに必要な支援とは、子どもから大人になるまで、そして大人になってからも、ずっと「見守り続けられる関係」であることではないか。

何かあったときに、いつでも駆けつけてあげられる「1人」。
その存在こそが、最も深い支援なのではないか。

実際、私のまわりの支援者には、誰にも知られず、こっそりと、ひっそりと活動している方がたくさんいます。声高に語ることはないけれど、何が大切かを知っている人たち。

私は、そうした “報告書にもメディアにも載らない静かな活動たち” に、どうしても目を向けていたいのです。


WEBマーケティングの世界で、SEOの順位に疲弊する日々。

そして、WEBの世界に入ってからも、同じでした。

検索順位が1位から5位に落ちただけで売上が激減し、それを広告で埋めようとする、終わりのないループ。
バズるために“共感っぽく”設計される違和感。

感情そのものより、“拡散されやすいかどうか”が重視されてしまうことへの不信。


じつは、こうした問題意識は、個人や地域だけの話ではありません。近年では、あのGAFA(GoogleやMetaなど)でさえ、ユーザーとの「信頼」や「感情のつながり」の設計に、限界を感じ始めているとも言われています。


数字では測れない価値を、どうしたら守れるだろうか?

その問いと、AIとの静かな対話から生まれたのが、「感情経済構造論」という考え方です。


“人が何を感じたか”を出発点に、“問いが生まれ”、“関係が育ち”、“静かに行動が芽吹いていく”ような社会のあり方。
情報より感情を、効率より余韻を、成果より共鳴を大切にする、構造設計の哲学です。

いま、私が目指しているのは、そんなやさしい構造を、“思想”ではなく、“関係”から実装していくことです。


エッセイ「ACSUREの挑戦」連載中

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この記事を書いた人

たなかえりのアバター たなかえり ACSURE編集長

「信頼できる人に、ちゃんと出会える。そんなメディアを目指しています。」

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