「誰にも知られず、静かに続けられている支援こそ、いちばん深く、いちばんあたたかいものかもしれない。」
支援現場とWEBの世界で感じてきた違和感。
“数値で測られない価値”を守るために、私は今、「感情経済構造論」という言葉にたどり着こうとしています。
数字では測れない価値を、守りたい。
声高に語ることはないけれど、何が大切かを知っている人たち。
今では、私が福祉現場にいたことを知らない方も多いかもしれません。
けれど当時の私は、相談件数や支援回数など、“数”を報告することに追われていました。
でも、ほんとうに必要な支援とは、子どもから大人になるまで、そして大人になってからも、ずっと「見守り続けられる関係」であることではないか。
何かあったときに、いつでも駆けつけてあげられる「1人」。
その存在こそが、最も深い支援なのではないか。
実際、私のまわりの支援者には、誰にも知られず、こっそりと、ひっそりと活動している方がたくさんいます。声高に語ることはないけれど、何が大切かを知っている人たち。
私は、そうした “報告書にもメディアにも載らない静かな活動たち” に、どうしても目を向けていたいのです。
WEBマーケティングの世界で、SEOの順位に疲弊する日々。
そして、WEBの世界に入ってからも、同じでした。
検索順位が1位から5位に落ちただけで売上が激減し、それを広告で埋めようとする、終わりのないループ。
バズるために“共感っぽく”設計される違和感。
感情そのものより、“拡散されやすいかどうか”が重視されてしまうことへの不信。
じつは、こうした問題意識は、個人や地域だけの話ではありません。近年では、あのGAFA(GoogleやMetaなど)でさえ、ユーザーとの「信頼」や「感情のつながり」の設計に、限界を感じ始めているとも言われています。
数字では測れない価値を、どうしたら守れるだろうか?
その問いと、AIとの静かな対話から生まれたのが、「感情経済構造論」という考え方です。
“人が何を感じたか”を出発点に、“問いが生まれ”、“関係が育ち”、“静かに行動が芽吹いていく”ような社会のあり方。
情報より感情を、効率より余韻を、成果より共鳴を大切にする、構造設計の哲学です。
いま、私が目指しているのは、そんなやさしい構造を、“思想”ではなく、“関係”から実装していくことです。
エッセイ「ACSUREの挑戦」連載中
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誰の悩みに応えられるのか?感情経済構造論とACSUREが届く場所|ACSUREの挑戦#14
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数字では測れない価値を守りたい。感情経済構造論が生まれた静かな問いから|ACSUREの挑戦#13
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情報ではなく関係を届ける 「多声的エディット」 という挑戦|ACSUREの挑戦#12
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